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動物の福祉とは -Animal Welfare-

動物が精神的・肉体的・社会的に充分健康で、幸福であり、環境とも調和していることを言います。
自分の気持ちを思うままに、気の向いた時だけ可愛がることは、動物の福祉が満たされているとは言えず、可愛がっている=福祉に配慮しているとは言い切れません。
動物も人間も命あるものであり、感覚があります。人間以外の動物の基本的ニーズ(生理的・環境的・行動的・心理的・社会的)は人間と共有しています。
飼育下あるいは人間によって制限された環境にいる動物たちは、これらのニーズを自身で充たすことが出来ませんので、人間には、その様な動物ができる限り快適に苦痛を受けずに生活が出来る様にする義務と責任があります。

5つの自由 -Five Freedom-

飢えと渇きからの自由

1.その動物にとって適切かつ栄養的に十分な食物が与えられていますか?
2.いつでもきれいな水が飲めるようになっていますか?

不快からの自由

1.その動物にとって、適切な環境下で飼育されていますか?
2.その環境は、清潔に保たれていますか?
3.その環境は、快適な休息場所がありますか?
4.その環境は、怪我を防止できる環境下ですか?

痛み・傷害・病気からの自由

1.病気にならない様に普段から健康管理・予防はしていますか?
2.痛み・外傷・疾病の兆候を示していませんか?
3.そうであれば、その状態が、診療され、治療されていますか?

恐怖・抑圧からの自由

1.動物は、恐怖や精神的苦痛(不安)や多大なストレスがかかっている兆候を示していませんか?
2.そうであれば、原因を究明し、的確な(訓練等の)対応が取れていますか?

正常な行動を表現する自由

1.動物が正常な行動を表現するための十分な空間・適切な環境が与えられていますか?
2.動物がその習性に応じて群れあるいは単独で飼育されていますか?
3.離すことが必要である場合には、そのように飼育されていますか?

国際動物福祉基本理念

5つの自由とは、1960 年代の英国で、家畜の劣悪な飼育管理を改善させ、家畜の福祉を確保させるために、その基本として「5つの自由が定められました。現在では、家畜のみならず、ペット動物・実験動物等あらゆる人間の飼育下にある動物の福祉の基本として世界中で認められ、EU ではこれに基づいて指令が作成されています。
英国では、動物福祉法2006 の第9条「福祉を保障するための動物責任者の義務」としてこの「5つの自由」を「動物のニーズ」という形で条文に書き込まれています。
また、世界獣医学会(WVA)においてもその基本方針の中に謳われています。

動物との共生に向いている人・向かない人

この動物の福祉に共感できる人は、動物と共生する資格を有しており、反対に疑念を抱くあるいは共感できない人は、動物と共生する資格を有さない方と言えます。
それだけ動物と共生するということはとても重い責任を伴います。
動物の福祉は、動物との共生にあたり、動物と人間互いに幸せになるために・反対に不幸にならないために、必要不可欠な倫理観です。

動物の福祉について

引用元:公益社団法人日本動物福祉協会

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